「楽天kobo」発表で情勢が変わるぞ!
楽天から7月2日付けで、電子ブックストア「楽天koboイーブックストア」及び電子ブックリーダーの「kobo touch」の投入が発表されました。7,980円と戦略的な価格で、楽天の力の入れようが窺えますね。何せ、同等クラスのSony Readerで16,000円前後。現行機種の半額というのは、壁をひとつ取っ払ってしまった感があります。
つい数日前にAmazonのKindle発売予告があったばかりですし、にわかに国内電子書籍情勢が騒がしくなってきましたね!
サービス名や端末名についている「kobo」というのは、楽天が去年の11月に買収したカナダの企業で、他社に比べて国際展開に力を入れているのが特徴です。
楽天、電子書籍ビジネスのウルトラC――カナダのKoboを買収へ
同社は、電子書籍版権を世界レベルで獲得する手法で、取り扱いタイトル数を伸ばすのが特徴で、英語圏といえる欧州との相性もよく、実際に欧州での展開にも積極的だ。また、自ら出版部門を立ち上げコンテンツの拡充にも努めている。Koboは日本でのなじみは薄いが、世界的にも有数のプレイヤーである。今回の買収により、楽天はRabooとして展開している電子書籍ビジネスの国際展開を加速できるほか、魅力的な端末を自ら有することになる。これは非常にエキサイティングな買収だ。
本家koboと国内版の違い
楽天koboの「kobo touch」は、本家koboの「Kobo eReader Touch」と同等品だと思われます。見た目はロゴ以外全く同じ。違いはフォントの数と対応フォーマットです。フォントに関しては、日本語フォントが入っている分だけ楽天版の方が多いので、特に不思議はありません。大きく違うのは対応フォーマット。
本家版:EPUB、PDF、MOBI、JPEG、GIF、PNG、BMP、TIFF、TXT、HTML、RTF、CBZ、CBR
何だか物凄い差がありますね。
ただ、削られている拡張子はごく普通に使われているものばかりなので楽天側が豪快に省略しただけという線が濃厚ですが、もしかすると本当に非対応なのかも。 実際に使用するのはePubとPDFあたりが大半でしょうから、実害は無さそうです。むしろ、変な専用形式が出てこなかったことに安堵しています。
気になるのはコンテンツ
今回の発表で一番気になったのが、立ち上げ時のタイトル数や参加する版権元が不明なこと。
「Koboを通じて読書革命を」――楽天の電子書籍事業第2幕の幕開け
日本語コンテンツのラインアップは「有り体に言うとほぼすべての出版社が協力的。ストアに並ぶ時期が多少ずれる程度」(三木谷氏)としており、Kobo専用の独占先行コンテンツの提供なども行いながら将来的には150万点のラインアップを目指したいとしている。
目下のライバルのAmazonも提携先に関する情報は出していないことから、牽制の意味もありそうですね。引用元の写真に本の表紙がいろいろと見られますが、既に他社で売られているものが多くて目新しさは感じませんでした。7月19日の立ち上げ時にどでかいサプライズが欲しいところですね。
今度が楽しみ
日本の電子書籍市場は、各方面から独自サービスが登場しまくりで、まさに雨後の筍状態。最終的には2〜3社に絞られるでしょうから、大半が統合されるか撤退することになります。いつ消えるか分からないサービス上で書籍を買うのはリスキーですし、個人的にはまだ手を出せない感じでした。おそらく出版社にとっても同じで、「いつかは電子化しなきゃいけないけど、今じゃなくていいんじゃない?」という空気が感じられます。
今回大手2社が本格的に参入 *1 してくることで、大きく動きがあると思われます。これまでの「ごく一部しか読めない」から、「ごく一部を除いて読める!」に変わるといいですね。
とりあえずkoboは予約してみます!
*1:楽天は既存のサービスも持っていますから、再参入?